金ってなに?

ポイント
  • 公的年金は厚生年金と国民年金(給付される年金の名称は「基礎年金」)の2階建てとなっています。勤務先によっては3階建て以上の人もいます。
  • 賃金をもらって働いている人(労働者)は2階建て年金が受け取れる仕組みです。
  • 厚生年金は保険、国民年金は保険と税のハイブリッドです。
  • 現役世代が受給者の年金財源を用意する賦課方式です。これを「社会的仕送り」といいます。

年金制度の体系

公的年金制度は、加齢などによる稼得能力の減退・喪失に備えるための社会保険で、防貧機能を有します。

現役世代は、すべて国民年金の被保険者となり、基礎年金の給付を受けます。民間サラリーマンや公務員等は、これに加え、厚生年金保険に加入し、基礎年金の上乗せとして報酬比例年金の給付を受けます。

年金制度の体系

※1 第2号被保険者等とは、厚生年金被保険者のことをいう(第2号被保険者のほか、65歳以上で老齢、又は、退職を支給事由とする年金給付の受給権を有する者を含む)。

※2 被用者年金制度の一元化に伴い、2015年10月1日から公務員および私学教職員も厚生年金に加入。また、共済年金の職域加算部分は廃止され、新たに年金払い退職給付が創設。

資料出所:第10回社会保障審議会企業年金・個人年金部会(2019.12.25)資料、日本年金機構の主要統計などから作成

公的年金の特徴

原公的年金は社会保険方式で運営されており、負担した保険料の額と期間に応じて将来受け取る年金額が決定します。

なお、公的年金の財源は、保険料収入のほか、一定の積立金を保有しているほか、基礎年金の給付費用の2分の1は国庫(税)が負担することになっています。

公的年金の財政のしくみ

年金制度は長期にわたる保障のしくみであり、インフレなど社会経済の大きな変化があっても、生活の保障という役割を果たす必要があります。そのため、日本の公的年金制度では、賦課方式を基本とした財政方式を運営しています。賦課方式とは、そのときの現役世代の保険料でそのときの制度の費用をまかなう年金の財政方式です。

その上で、一定の積立金を保有し、その運用収益も活用し、少子高齢化で増大する保険料負担の緩和を図っています。

公的年金の財政の仕組み

資料出所:厚生労働省「平成28年度全国厚生労働関係部局長会議」(2017.1.20)

資料出所:厚生労働省「平成28年度全国厚生労働関係部局長会議」(2017.1.20)